宇都宮のアマチュア楽団 14日、新型コロナ禍越え5年半ぶり演奏会 クラシックの大曲に再挑戦

本番前、最後の音合わせを行う団員たち

 【宇都宮】市を中心に活動するアマチュア楽団「グローリア アンサンブル&クワイアー」は14日、県総合文化センターで新型コロナウイルス禍を経て5年半ぶりとなる演奏会を開く。コロナ禍に活動休止を余儀なくされた同楽団。開催できなかった2020年の演奏会で予定したクラシックの大曲に再挑戦する。

 1993年結成のオーケストラと合唱の楽団で、県内在住者を中心に約120人の団員を抱える。演奏会は27回目。年1回、同センターで開いてきたが、コロナ禍などを挟んで2018年以来となる。

 演奏曲は1曲。1800年代半ばのドイツの作曲家メンデルスゾーンのオラトリオ(聖譚曲(せいたんきょく))「エリヤ作品70」。旧約聖書の預言者エリヤを題材にした2時間を超える大曲で、オーケストラの演奏にドイツ語の合唱を重ねる。

 元々は2020年の演奏会で披露するはずだった。19年は同センターの改修で開催できないことが分かっていたため、2年かけて大曲に挑もうと同曲を猛練習してきた。ところが、新型コロナウイルス感染症の流行で合唱や大人数での催しが行えなくなり、20年6月に活動を休止。2年後に再開するも影響は残り、100人規模の合唱団員は6割まで減ってしまった。

 困難を乗り越え、同曲に再挑戦する。指揮者の片岡真理(かたおかまこと)さん(70)は「とてもドラマチックな曲」と魅力を語った上で、「コロナ禍を経て音楽の素晴らしさを再認識した。演奏会を開ける喜び、音楽への熱い思いを団員全員で届けたい」と力を込める。

 一般2千円、学生500円。全自由席。(問)同楽団の小田八千子(おだやちこ)代表070.2619.4038。

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