鹿児島県いちき串木野市は、米国で「ワイン王」と呼ばれた長沢鼎(かなえ)の生涯を振り返る漫画「バロン ナガサワ-羽島から世界へ-」を製作した。市内の小中学校と特別支援学校16校に配布した。
長沢は同市羽島から旅立った薩摩藩英国留学生の一人。米カリフォルニア州でワイン事業を成功させた。漫画は羽島中学校の生徒が過去にタイムスリップし、長沢の人柄や功績を見守るストーリー。
B6判112ページ。B&G財団(東京)の助成金を活用し、県内の漫画家やシナリオライターらの製作活用検討委員会が携わって3000冊を作った。非売品。市立図書館や薩摩藩英国留学生記念館で読める。
3月25日に羽島中で贈呈式があり、相良一洋教育長が生徒に手渡した。担当した市シティセールス課の下迫田樹一さん(25)は「13歳で故郷を旅立った長沢の物語が子どもたちの道しるべになれば」と話した。
記念館来場者のうち、希望する100人にプレゼントする。6月30日まで。