矢板市長に森島氏 2231票差で現役斎藤氏下す 37歳、栃木県内最年少首長が誕生

初当選を決め万歳する森島武芳氏(中央)=7日午後9時45分、矢板市本町

 任期満了に伴う矢板市長選は7日投開票が行われ、前市議で無所属の新人森島武芳(もりしまたけよし)氏(37)が9542票を獲得、3選を目指した無所属の現職斎藤淳一郎(さいとうじゅんいちろう)氏(51)を2231票差で破り、初当選を果たした。投票率は65.11%。市長選として過去最低だった前回(58.38%)を6.73ポイント上回った。森島氏は現職の県内市町長では最年少となる。

 市民は市政の継続より「刷新」を求め、政治経験の浅い新たな市長にかじ取りを託した。

 雇用・経済政策を「一丁目一番地」と訴えて立候補した森島氏は「市民党」を掲げ、市内各地区の後援会員と会長ら役付き者約130人の幹事が合議しながら運動を展開。周辺で自民党をはじめ複数の党派などの有志が支え、市議8人が応援して票を掘り起こした。

 3選を目指した斎藤氏は大型施設建設事業や行財政改革など2期8年の実績をアピール。地元県議と市議3人の支援を得て、支持基盤を固めた上で票の上積みを図ったが及ばなかった。

 同市本町の森島氏の選挙事務所では午後9時40分過ぎに当選確実の報が入ると、歓声とともに大きな拍手が湧き起こった。事務所後方の入り口から姿を現した森島氏は大勢の支持者らとハイタッチし、「皆さんに対する感謝の気持ちしか浮かんでこない。今の矢板市の現状や課題、方向性について市民一人一人に真剣に語ったことをご理解いただけた。大きな挑戦で厳しい戦いだったが、皆さんと一緒ならやれると信じていた」と喜びを爆発させた。

 一方、斎藤氏は同市末広町のホテルで支持者を前に「期待に沿えず申し訳ない。責任は全て私の不徳の致すところ。改めて政治の道で捲土(けんど)重来を期していきたい」と敗戦の弁を述べた。

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