移転後の売上高5倍超 東京の県アンテナ店、八重洲開業1カ月

移転開業後、順調に売り上げを伸ばしている石川県のアンテナ店=3月9日、都内

  ●「敦賀延伸」「被災地応援」で注目 1日平均280万円

 9日で移転開業1カ月を迎えた石川県のアンテナ店「八重洲いしかわテラス」(東京)で、1日当たりの平均売上額が280万1千円と、旧店舗の5.5倍のペースで推移していることが県への取材で分かった。北陸新幹線の敦賀延伸で注目度が高まったほか、能登半島地震の被災地応援で利用する人も多く、好調な滑り出しとなった。県は新商品を随時投入するなどして魅力を高め、集客力維持を目指す。

 開業後1カ月間の売上高は約8600万円。曜日別の平均売り上げは土日祝日が364万7千円、平日が233万5千円で、昨年10月まで銀座にあった旧店舗「いしかわ百万石物語・江戸本店」の土日祝日68万2千円、平日42万円をいずれも大きく上回った。平均来店客数は2268人で、旧店舗の3.3倍となった。

 新設した飲食エリアの利用が多く、九谷焼のおちょこで味わう日本酒とおつまみセット、じろあめを練り込んだオリジナルソフトクリームの売れ行きが好調だった。

 被災地応援ブースに設置した能登の特産品も引き合いが多く、地酒は店頭に並ぶと即完売する人気ぶり。3万~5万円と比較的高額な輪島塗のおちょこやグラスを購入する人も目立った。

 県によると、好調な出足となったことで地元の業者から「自社製品を並べてほしい」との要望が増えており、1カ月間で約10社から問い合わせがあった。

 県の担当者は「にぎわいを一過性で終わらせないためにも、新たな商品や試みを打ち出していきたい」と話した。店では、地震からの復旧・復興状況を来店客に伝える企画を検討している。

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