中山間地にシェアハウス 富大の学生、過疎の地に新風 氷見・久目の空き家改修、住民と交流

空き家を改装しシェアハウスづくりに取り組む富大生と籔谷講師=氷見市久目

 過疎化と少子高齢化が進む中山間地の氷見市久目地区で富大芸術文化学部の学生らが今春から空き家をリノベーションしてシェアハウスづくりを進めている。関係者によると、学生が中山間地でシェアハウスに取り組むのは全国的に珍しく、学生らの豊かな感性と若い力を発揮し、自然豊かな里山に新しい風を吹き込み、住民との交流の場をつくって地域を盛り上げようと意気込んでいる。

 空き家を改修してシェハウスづくりに取り組むのは、富大の籔谷祐介研究室の学生ら。久目地区地域づくり協議会移住定住部会と同研究室の共同プロジェクトで、久目移住定住促進委員会が昨年度に策定した久目地区移住者受け入れ促進計画の一環として、3月末から活動を本格化させた。

 学生は北海道、東京、石川、福岡出身の3、4年生4人で、築40~50年の木造2階建ての空き家を改修しながら共同生活を送る予定。第1弾として3月30日と4月1日に「お掃除ワークショップ」と銘打って地区住民や学生らと一緒に空き家の掃除に取り組んだ。

 学生は昨年12月に久目地区のワークショップに参加し、興味と関心を寄せていたところ、自然豊かな久目の空き家を購入して移住した籔谷講師からも打診され、空き家活用のシェアハウスづくりを決めた。

 建築や伝統工芸の文化政策を学ぶ学生らはリノベーション後に地域住民らと食事をしたり、日常会話を交わしたりする交流の場をつくり、住民と交流を深める予定にしている。

 学生は「地域コミュニティーに参加したり、空き家をリノベーションしたりすることはめったに体験できない」「自然豊かな農村地域にもなかなか住めないので、楽しみ」と笑顔を見せる。

 重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)の高岡市吉久地区で住民と学生が一体となったまちづくりにも携わる籔谷講師は「学生にとって空き家は教材。地域の人も喜んでくれており、住みながらリノベーションして地域の住民と交流を深めていきたい」と話した。

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