原子力防災、小学生や観光客にも分かりやすく 鹿児島県が「しおり」改訂、地図やイラスト充実でポイントを視覚に訴え

小学生向け(右)と観光客向けにリニューアルした「原子力防災のしおり」

 鹿児島県は小学生と観光客向けの「原子力防災のしおり」をそれぞれリニューアルした。災害時の情報収集や退避のポイントなどを視覚に訴えているのが特長。新年度を迎え、改めて注意喚起を図る狙い。

 小学生向け(A4判8ページ)は1万9000部作成し、薩摩川内市の九州電力川内原発からおおむね半径30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に校区がある6市町54校の全児童に配布。地図に各校を配し、原発との距離が大まかに分かるようにした。発災時の注意点などのイラストを充実させた。

 5500部刷った観光客向け(A4判4ページ)は、UPZに該当する9市町などに配り、公共施設をはじめ観光客が訪れるスポットに置いてもらう予定。避難情報や空間放射線量を確認できる「原子力防災アプリ」の活用を強調している。

 いずれも2019年3月に初めて制作した内容の改訂版。原子力安全対策課は「新年度になり、改めて原子力防災への理解を深めてもらえれば」とアピールしている。

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