福島県桑折町などのモモ畑では、散水用のポンプについている金属製のバルブが盗まれる被害が相次いでいて、警察が窃盗事件として捜査しています。実がつき始めるこれからの時期、農家にとっては大きな痛手です。
植野天斗記者「こちらのモモ畑では、現在は使われていないポンプについていた金属製の部品が盗まれる被害にあいました」
警察によりますと、桑折町などでは3月下旬ごろから、モモ畑に水をまくためのポンプについている金属製の部品が盗まれる被害が続いています。地域別では、桑折町で3件、伊達市で2件、国見町で1件となっています。
被害にあったモモ農家を訪ねると…。
被害にあったモモ農家「前はここにバルブがあった。気がつかなかったが、みんなが騒ぎ出したので見てみたらバルブがなくなっていた」
男性の畑では、2か所のポンプから金属製のバルブが盗まれていたということです。被害にあったポンプには、工具のようなもので切断されたあとが残っていました。
幸い男性は、現在このポンプを使っていませんでしたが、モモの実がつき始めるこの時期にポンプが使えなくなるのは、農家にとって大きな痛手だと話します。
被害にあったモモ農家「(ポンプを使って)水をまいたりしている。夏ちょっと前、これから使う」
警察では、窃盗事件として捜査するとともに夜間のパトロールを行い、警戒を強化しています。
工具で切断か 道路に近いポンプ狙われる?
今回の窃盗被害は、農家が今シーズンの作業を始めるために久しぶりに畑に出たところ、盗まれていることに気がついたといいます。警察には、3月下旬から4月9日までに、県北地区で6件の被害届が出されています。
今回、被害にあっているのは畑に水をまくためのポンプで、水量を調節する金属製のバルブが盗まれています。ほとんどが鉄製だということです。
被害にあった農家の男性は、今回の窃盗被害には特徴が2つあると話しています。
1つ目は、電動ノコギリのような工具で切断されたとみられること、
2つ目は、道路に近い場所にあるポンプで被害が相次いでいることです。
道路から遠い畑の中にあったため、被害を免れたとみられるポンプもありました。これらの特徴を見ると、時間をかけずに手早く犯行に及んでいると思われます。
部品の交換には、数千円から1万円ほどの費用がかかるといいます。
警察によりますと、被害を防ぐためには畑に柵を設置する、作業がない冬場にも見回りを行うなどの対策しかないのが現状だということです。