栃木県内桜便り2024 各地で春らんまんの雰囲気

金崎の桜堤(栃木)

 春の嵐の後には、青い空の下で咲き誇る満開の桜が待っていた。

 10日の栃木県内は、前日と打って変わって晴天に恵まれた。宇都宮地方気象台の開花発表が昨年より11日遅かった宇都宮にはまだ満開の知らせはないが、今、南から北まで桜が見頃だ。

 新型コロナウイルス感染症の5類移行後初めての花見シーズン。心待ちにしていた人たちはマスクなしでの散策や、レジャーシートを広げての見物を楽しんでいる。遅い開花に伴い小学校では桜が出迎える入学式にもなった。春らんまんの県内各地から、桜の便りを紙面で届ける。

 思川沿いの堤防に薄紅色のアーチが架かった。栃木市西方町金崎の「金崎の桜堤」では750メートルにわたり植えられたソメイヨシノ約200本が先週末に咲き始め、4日余りで満開になった。駆け足の春を惜しむように、多くの親子連れらが桜の花に身を寄せ、記念撮影を楽しんでいた。(10日)

 芳賀町下高根沢、かしの森公園周辺ではソメイヨシノ約300本が満開となった。次世代型路面電車(LRT)が近くを通り、桜並木と列車が初の共演。花見客を続々と運び、開業後初めての春は大いににぎわった。(10日)

 入学式が行われた宇都宮市の小規模特認校・城山西小では、校庭に咲き誇る満開の「孝子(こうし)桜」が新入生20人を出迎えた。樹齢450年、市指定天然記念物のシダレザクラ。「6年間よろしくね」と語りかけるかのように児童らを包み込み、陽光に輝きながら、記念写真を彩った。(10日)

 那須塩原市三区町の烏ケ森公園は春の陽気に包まれ、満開のソメイヨシノが日差しに輝いた。9日の風雨の影響はなかったという。今週末まで楽しめる見込みで、午後6~9時は園内のぼんぼりが点灯する。(10日・ドローンから)

 那須町芦野の町名勝「堂の下の岩観音」で、お堂を覆うように咲くエドヒガンなどの桜が見頃を迎えている。日中は菜の花との共演、夜はライトアップされた桜が水鏡に映る幻想的な景色を楽しめる。ライトアップは13日まで実施予定。(9日)

 日光市鬼怒川温泉滝の藤原町護国神社・鬼怒川温泉神社でもソメイヨシノが満開。14日までの午後6~8時半、桜のライトアップが行われている。光と桜、和傘が幻想的な雰囲気をつくりだし、訪れた人は写真を撮るなどして楽しんでいた。(9日)

 宇都宮市中心部を流れる田川沿いには約100本のシダレザクラが咲き誇る。県庁前通りの東橋から八日市場通りの押切橋付近までの約900メートルの両岸を彩る。訪れた人は川沿いの遊歩道から桜を見上げたり、橋の上から見下ろしたりして春を満喫した。(10日)

 ソメイヨシノやジンダイアケボノ、ヤマザクラ-。多様な桜300本が満開を迎えた鹿沼市千手町の千手山公園内は、子どもたちの歓声が絶えない。昼前には入学式帰りの子どもたちも駆けつけ、観覧車やミニ電車に繰り返し乗車。時折風に運ばれる花びらに手を伸ばしていた。(10日)

 高根沢町上柏崎の道の駅たかねざわ元気あっぷむらの桜も見頃だ。人気のグランピング施設周辺にあるソメイヨシノ約70本は六、七分咲き。来週まで楽しめる見込みで、見頃の期間のグランピング宿泊には若干の余裕があるという。(10日・ドローンから)

 小山市間々田の間々田八幡公園では、園内の各所にあるソメイヨシノが見頃になった。家族連れらが次々と訪れ、散策しながら咲きそろった桜を堪能していた。今週末まで楽しめるという。(10日)

 来場者らは訪れてすぐ、起伏に富んだ草原を彩る約300メートルの桜並木にくぎ付けとなる。大田原市狭原(せばはら)の観光牧場・那須ファームビレッジ。今週末まで見頃といい、11日は定休日だが臨時営業する。(10日・ドローンから)

かしの森公園周辺(芳賀)
城山西小の孝子桜(宇都宮)
烏ケ森公園(那須塩原)
堂の下の岩観音(那須)
藤原町護国神社・鬼怒川温泉神社(日光)
田川沿い(宇都宮)
千手山公園(鹿沼)
道の駅たかねざわ元気あっぷむら(高根沢)
間々田八幡公園(小山)
那須ファームビレッジ(大田原)

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