5億円当選に「だまされてもいいから…」 常連客を説得、詐欺被害から守る 栃木のローソンオーナー

岸本署長(右)から感謝状を受け取った保知戸さん(左)

 【栃木】特殊詐欺被害を未然に防いだとして栃木署は11日、ローソン大平西野田店のオーナー保知戸栄(ほちどさかえ)さん(45)に感謝状を贈った。

 保知戸さんは3月1日午後、同店を訪れた市内に住む常連の60代男性が、普段購入しないプリペイドカード3千円分を購入しようとしたので詐欺を疑った。

 使途を確認したところ「5億円が当選しました」などと表示されたスマートフォンの画面を見せてきたことから、15分ほどかけて購入をやめるよう説得し、110番して被害を防いだ。男性は「だまされてもいいから買いたい」と当選に高揚した様子だったという。

 保知戸さんは2022年4月と23年2月にも同店で詐欺被害を防いでおり、今回で3回目。年に2回防止したため、昨年県警から「声掛けマイスター」を委嘱されている。

 岸本俊彦(きしもととしひこ)署長から感謝状を受け取った保知戸さんは「店は特に高齢者が多く利用するので、今後も警察や従業員と連携して防いでいきたい」と話した。

© 株式会社下野新聞社