【栃木】入舟町の市美術館で企画展「アルフォンス・ミュシャ 魂と装飾の芸術」が開かれている。19世紀末にヨーロッパで流行した芸術様式「アール・ヌーヴォー」を代表する画家アルフォンス・ミュシャ(1860~1939年)の作品約360点を展示。代表作から国内初公開となるデッサン画「スカートをたぐる少女」まで、ミュシャの世界を堪能できる。6月9日まで。
ミュシャは現チェコ共和国で生まれた。フランスで制作した舞台のポスターが人気を集め、華やかで繊細な作品を数多く生み出した。日本の浮世絵など「ジャポニスム(日本趣味)」の影響を受けたアール・ヌーヴォーは優雅な曲線や装飾性が特徴。日本でもミュシャの作品は人気で、全国各地で作品展が開かれている。
会場にははがきサイズほどの挿絵や高さ2メートル以上の大作がずらり。ミュシャの名声を高めるきっかけとなった作品「ジスモンダ」や「黄道十二宮」、連作「四季」などの代表作が並ぶ。
有名になる前に本や雑誌に描いた挿絵もあり、画家としての足跡をたどることができる。国内初公開の「スカートをたぐる少女」は、今回の企画展に多くの作品を提供している尾形企画(静岡市)の尾形寿行(おがたとしゆき)社長がオークションで入手した。ミュシャの絵が入った紙幣や缶、飾り皿など人々の暮らしの中で愛された一面も紹介している。
同館は多目的室を特設のグッズ売り場とし、ポストカードや缶バッジなどを販売している。尾形社長は「ミュシャを知らない人でもどこかで見たことがある作品があると思う。多くの人に訪れてもらいたい」と話している。
午前9時半~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。入館料は高校生以上800円、中学生以下無料。(問)同館0282.25.5300。