台湾観光客 長崎・松浦鉄道の旅楽しむ 特別車両「レトロン号」貸し切り ツアー客移動手段として初運行

レトロン号に乗車し、車窓からの風景を楽しむツアー客=松浦市

 台湾の観光ツアーグループが松浦鉄道(MR、本社佐世保市)の特別車両「レトロン号」を貸し切り、長崎県平戸市から佐賀県伊万里市まで鉄道の旅を楽しんだ。ツアー客の移動手段としてレトロン号が運行されたのは初めて。
 レトロン号は日蘭交流400周年記念事業の一環で導入し、2000年に運行を開始。MR唯一のトイレを装備した車両で、内外装などをレトロ調でまとめている。これまで「ビール列車」などのイベントを中心に運行してきたが、ツアーを誘致した佐世保観光コンベンション協会の要望を受け、今回の旅が実現した。
 ツアーは台湾の新進旅行社が企画。ツアー客とガイド計20人が22日に来県し、雲仙市の温泉街や長崎市のグラバー園などを巡った。
 グループは23日、平戸市街地を散策し、松浦史料博物館を見学。たびら平戸口駅からレトロン号に乗車し、伊万里駅までの約1時間、談笑したり車窓からの風景を楽しんだりした。
 初めて来県したという曲信恩(ちゅうしんえん)さん(46)は「田園の景色がきれい。車両の内装もしゃれている」と満足そうだった。
 MRの馬場俊二総務部長兼営業広報部長は「鉄道の旅は県北の豊かな自然をゆっくり眺められる。外国人観光客にもっとMRを利用してもらいたい」と話した。

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