豊作祈り「花笠舞」 遊佐・吹浦田楽

五穀豊穣を願い奉納された吹浦田楽「花笠舞」=遊佐町・鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮

 遊佐町の鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮の例大祭が5日、同神社境内などで行われた。県無形民俗文化財の吹浦田楽「花笠舞」が奉納され、五穀豊穣(ほうじょう)を願った。

 吹浦田楽は室町時代に地域に伝わったとされる。花笠舞は、手に持った鳴り物「ササラ」でカエルの鳴き声を、足音で雷鳴を表現する。花笠に飾られている造花は稲の花に、紙垂(しで)は雨に見立てられ、豊作を祈るという。

 例大祭の締めくくりとして、吹浦田楽保存会のメンバー8人が花笠をかぶり、参道や境内の舞台で舞った。楽人3人が奏でる優雅な太鼓と笛の音色に合わせ、舞を披露した。遊佐小4年赤塚凜さん(9)は「花笠舞は迫力があり、地元の祭りはいい祭りだなと思った」と話した。

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