任せて、アスリート食 山辺高「食物部」が食事提供、下宿の山形中央高女子バスケ部員に

アスリートの食事作りに挑戦している山辺高の食物部員たち=山辺町・同校

 山辺高(山辺町、大内郭嘉校長)の部活動「食物部」が、山形中央高(山形市、細谷尚寿校長)女子バスケットボール部員で下宿生活をして競技に取り組む生徒に、手作りの食事を提供している。学校の枠を越え、アスリートの食事を作る取り組みは、調理のプロを目指す生徒たちにとって大きな経験となっている。

 山中央高バスケ部員の9人は下宿先で食事の提供を受けるが、日曜夜と月曜朝は自炊をしている。日曜は大会や遠征で夜遅い帰宅になってバランスの良い食事を取れないこともあるという。関係者が山辺高に相談し、昨年9月から食物部が調理を担っている。

 本年度は9人の食物部員が調理を担当する。メニューは「体をつくる」「貧血予防」などのテーマを基に1カ月ごとに決める。4月は鶏胸肉の親子丼、ブロッコリーのチヂミ、ピーマンのきんぴらなどを作った。低脂肪で高タンパクの食材を使ったり、調理方法を変えて栄養効果を高めたりと工夫を凝らしている。

 不定期で「栄養だより」を発行しており、食材について改めて調べる機会になっている。「ブロッコリーはゆでるとレモンの約2倍のビタミンCを含むことを知り、驚いた」と食物部の2年押野芽依さん(16)。2週間分を一度に作って、真空パックにして冷凍して届けており、3年佐藤徹平さん(17)は「加熱することを考えて硬めに作る必要があるなど、学ぶことが多い」と充実した表情だ。

 山中央高バスケ部顧問の茂木卓矢教諭は「山辺高側はアスリートの食事の研究になり、中央高側は栄養のある食事を取れる。双方にメリットがある取り組みだと思う。バスケ部の生徒たちにはおいしいと好評だ」と、感謝を込めて話した。

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