戦国城下町に住み着く妖怪とは…福井県の一乗谷朝倉氏遺跡で常設展示 芸術家、西野カインさん考案11キャラ 今後も〝増殖〟予定

一乗谷朝倉氏遺跡の伝承や出土品などを基に、西野さんが描いた妖怪たちのパネル=5月2日、福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡

 福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡を舞台にした創作妖怪のパネル常設展示が5月3日、復原町並のガイダンス棟で始まった。伝承や出土品などを基に越前町の芸術家、西野カインさん(22)の考案した11キャラクターが紹介されている。

 朝倉氏遺跡の世界遺産登録を目指す一般社団法人「クリエイティブASUWA」が企画する誘客プロジェクトの一環。栄華を誇ったかつての城下町が地下に残り、妖怪が住み着いているというコンセプトで、妖怪にまつわる物語の発信やグッズ展開も行う予定という。

⇒西野カインさんがライブペイントで描いた作品がグッズ化

 一乗谷のホタルをモチーフにした妖怪「ほたるび」は西野さんのお気に入り。戦乱を生きた兵士の魂が具現化したホタルに囲まれている設定で、夜の幻想的な雰囲気を表現している。桜の季節に現れる「花丸」や、越前焼の大甕(おおがめ)に住み着く「甕子」など個性豊かな面々が並ぶ。

⇒誕生した1体目「妖怪へそくり」西野カインさんの思い

 プロジェクトを企画した藤田勝己理事(62)は「妖怪たちをきっかけに一乗谷に興味を持ってもらい、さらに知名度を高めたい」と期待を寄せる。今後、一般公募などでキャラクター数を増やし、城下町のにぎわいを表現していくという。

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