娘の内縁夫逮捕、主導か 那須・夫婦遺体焼損事件で合同捜査本部 死体損壊容疑、知人も

 栃木県那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、県警と警視庁の合同捜査本部は7日までに死体損壊の疑いで、東京都世田谷区、会社役員の男(32)、千葉県船橋市、会社役員の男(36)の両容疑者を逮捕した。32歳の男は夫婦の長女の内縁の夫で、夫婦が経営する会社のマネジャーを務めていた。捜査本部は仕事などを巡るトラブルがあり、32歳の男が主導的な立場で事件に関与した疑いがあるとみて動機などを調べる。一連の逮捕者は6人となった。

 逮捕容疑は、他の4容疑者と共謀し4月16日未明から朝までの間、那須町伊王野の河川敷で、東京都千代田区、会社役員の男性=当時(55)=と妻の会社役員の女性=同(56)=の遺体に火を付け、焼損させた疑い。32歳の男は6日、36歳の男は7日に逮捕した。捜査関係者によると、2人は容疑を否認している。

 捜査本部によると、32歳の男は夫婦が経営する会社に勤務していたほか、夫婦の長女と内縁関係にあった。一方、36歳の男の不動産会社は夫婦が暴行を受けたとされる空き家を管理していた。

 2人は知人で遺体が見つかった前日の4月15日夜、夫婦と一緒にいる姿が防犯カメラの捜査などから確認された。夫婦は同日午後9時半ごろ、36歳の男が借りたレンタカーで物件探しとして、都内の上野から品川区東品川の建物に移動。午後11時から約30分滞在し、同区内の空き家に向かったとされる。空き家で実行役とされる男2人と夫婦が接触し、暴行を受けた疑いが持たれている。

 捜査関係者によると、36歳の男は「内覧してもらうために空き家に行った」と説明。一方、「黒い車から出てきた男に襲われたので逃げた。事件のことは知らない」と話しているという。32歳の男は「空き家には行っていない」と供述している。

 一方、捜査本部の調べで、32歳の男と36歳の男が夫婦が空き家を訪れた後の16日未明、東京都台東区内で、指示役とされる住所、職業不詳の男(28)=死体損壊容疑で逮捕=と3人で会っていたことが防犯カメラの捜査で判明。32歳の男と職業不詳の男が同じ車に同乗し、36歳の男が別の車で合流したという。捜査本部は報酬の受け渡しがあった可能性もあるとみて調べている。

移送のため警視庁大崎署を出る32歳の男=7日午前9時15分、東京都品川区大崎4丁目
逮捕され、警視庁大崎署に入る36歳の男=7日午前7時25分、東京都品川区大崎4丁目

© 株式会社下野新聞社