暴行現場の空き家周辺に主導役ら5容疑者 那須・夫婦焼損遺体 各容疑者の役割を捜査

6容疑者の構図

 那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、夫婦の長女の内縁の夫で事件の主導役とみられる東京都世田谷区、会社役員の男(32)ら、死体損壊容疑で逮捕された男6人のうち指示役や実行役などとされる5人が、夫婦が暴行を受けたとみられる同16日未明、東京都品川区の空き家付近にいたことが9日までに、捜査関係者への取材で分かった。県警と警視庁の合同捜査本部は物件の案内を装って誘い出したとみて、各容疑者の役割などを調べている。

 捜査関係者によると、主導役とみられる男と知人の不動産会社役員の男(36)は、死亡した東京都千代田区、会社役員の男性=当時(55)=と妻の同女性=同(56)=を連れて16日未明、物件を案内するためレンタカーで空き家方面へ向かったという。

 主導役とみられる男は「行っていない」と供述。一方、同時間帯に主導役とみられる男の高級車が空き家周辺を走行していたことが防犯カメラから判明。不動産会社役員の男は空き家に行ったことを認めつつも、「男に襲われて逃げた」と供述しているという。

 また、主導役とみられる男の知人で指示役とされる住所、職業不詳の男(28)が、同時間帯に空き家周辺にいたことが防犯カメラの映像などから確認されている。空き家では実行役とされるいずれも住所、職業不詳で、韓国籍の男(20)ともう一人の男(20)の両容疑者が夫婦に何らかの暴行を加えた疑いがある。その後、夫婦を車に乗せ、那須町方面に向かったとみられている。

 一方、仲介役とされる埼玉県越谷市、建設業の男(25)は東京都内の五反田駅近くの居酒屋に1人でいたことが分かっている。16日午前3時半ごろ、空き家周辺にいたとみられる指示役とされる男が居酒屋を訪れ仲介役とされる男と接触していた。

 指示役とされる男は15日から16日にかけて複数回、主導役とみられる男と会っていたことも分かっており、主導役とみられる男からの報酬が分配された可能性があるとみられる。

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