太陽から噴き出す“紅炎”「プロミネンス」福井で観測 足羽山の博物館観望会で協力員撮影

太陽の表面から炎のように噴き出して見える「プロミネンス」。白っぽい部分は黒点=5月11日、福井県福井市の足羽山から撮影(西田昭徳さん提供)

 太陽の表面から炎のように噴き出して見えるガス「プロミネンス(紅炎)」が5月11日、福井県福井市の足羽山から観測された。表面からの高さは地球8個分の約10万キロ、幅は約45万キロと地球35個分で、撮影したアマチュア天文家は「10年以上前から観測を続けてきたが、こんなに大きなスケールは初めて」と驚いていた。

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 足羽山山頂の同市自然史博物館で天体観望会があり、同博物館協力員の西田昭徳さん(61)=福井県あわら市=が、プロミネンスの特殊な波長を捉えられる望遠鏡など機材を持ち込んで観測、撮影した。

 同博物館の担当者によると、大きなプロミネンスが観測できたのは、太陽の活動が最も活性化する「極大期」に入っていることが要因とみられる。表面で起こる爆発現象「太陽フレア」が頻発していることも関係しているという。

 磁場の影響で周囲より温度が低くなる「黒点」も出現。「肉眼で観測できるほどの大きさだった」と関係者を沸かせた。

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