伊吹山を望む米原市春照で「こども食堂」初催し 地域グループが空き家活用 

メニューを「おいしい」と言って楽しむ子どもたち(米原市春照)

 伊吹山を望む滋賀県米原市春照で、地域グループが空き家を活用した住民らの「居場所」を完成させた。このほど「こども食堂」を初めて催し、参加した子どもたちがちらしずしなどのメニューを楽しんだ。

 地域にはかつて住民らが集えるサロンがあったが、コロナ禍で活動が終了した。これを知った地元の活動団体「しあえる」の福永貴之代表(49)が「高齢者や子どもたちが気軽に立ち寄って交流できる施設づくりを」と思い立った。

 市の空家バンク制度を通じて取得した築60年以上の木造2階建て民家を、市の「空家地域活性化活用補助金」を活用して改修し、開設にこぎ着けた。

 4月23日から活動を始め、今月1日には初めてこども食堂を開いた。地元の子どもたちや家族連れ約20人が参加し、ボランティアがつくった豚のショウガ焼き、ちらしずし、そうめん入りスープを味わった。

 メニューは参加者に好評で、おかわりする子どももいた。近所の子どもたちと参加した小学5年男児(10)は「友達と一緒に食べるとおいしい」と笑顔を見せた。

 福永代表は「たくさん参加してもらっていいスタートになった。住民の皆さんの要望を聞きながら活動を考えていきたい」と話した。

 毎週火・水・金曜の午前10時~午後3時、「居場所づくり&サロン」を開く。こども食堂は毎月第1水曜の午後4~7時に開催する(いずれも有料)。その他、地元を対象にした配食サービスも考えているという。

 市によると、同補助金制度は2023年度から始め、他にはシェアオフィスの開設例もあるという。

空き家を活用して「しあえる」が設置した「居場所」(米原市春照)

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