京都中部の自然豊かな町で29歳映画監督が再びメガホン 住民エキストラ出演「絶対に出たかった」

古民家で食事シーンを撮影する田中監督(左)ら=南丹市日吉町

 京都府南丹市日吉町を舞台にした短編映画の第2弾の撮影が同町内で進んでいる。監督は昨年、同町に移住した田中大志さん(29)。1作目を昨夏に撮影し、それを見た地元住民がエキストラ出演するなど、輪が広がっている。田中監督は「日吉の季節も味わってもらえる映画に」と志す。

 作品は集落の空き家や天若湖、日吉ダムなどを舞台に撮影。母を亡くした少女が、母の過去を通じて、自分と向き合い、成長していく物語になっている。

 古民家では家族4人の食事シーンを撮影した。主人公の少女を演じる殿田中2年の女子生徒(13)は「セリフのない間が難しいけど楽しい。前作と違って女の子が主人公と聞いて、迷わず応募した」と笑顔を見せた。

 妹役の殿田小4年の女子児童(9)は「前に見た映画に友達が出ていて、絶対出たいと思った」と明かした。

 4月に撮影を始め、桜などの春景色も見どころになる。田中監督は「1作目は夏が舞台だった。今回は旬のタケノコや地元の風習など、春を感じさせる場面を交えるつもり」と、日吉の自然を生かした作品を目指す。

 6月まで撮影を続け、約40分の短編映画として今秋に披露する。

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