京都の観光バス路上駐車「悪質なら会社名公表も」 ルール違反運転手対策、市が見回り強化

【資料写真】団体客を乗せた観光バスがずらりと並ぶ駐車場(京都市東山区・清水坂観光駐車場)

 京都市が観光バスの路上駐車(路駐)対策を強化する。昨年11月に路駐しているバスの運転手への啓発活動を実施し、今年3月には誘導に従わなかったり、複数回路駐したりしたバス会社約70社に初めて警告文を送った。新年度は巡回調査を業者に委託し、週末にも実施して観光バスの駐車場への誘導を促す。市は「悪質な場合は会社名の公表も検討する」としている。

 新型コロナウイルス禍を経て観光客が回復していることもあり、観光バスの路駐が目立ち始め、観光シーズンにおける交通渋滞の一因にもなっている。

 市職員が昨年、不定期で巡回調査を実施したところ、特に御池通(堀川通―川端通)、烏丸通(御池通―五条通)、五条通(川端通―東大路通)で目立った。11月の9日間では約3割が30分以上路駐していたという。市は計約790台の運転手に注意し、駐車場への誘導を促したが、「もう少しで乗客が戻ってくる」「駐車場が少ない」などと従わないケースもあったという。今年2月にも6日間、運転手への啓発を行った。

 市は3月、複数回にわたって路駐するなど悪質なケースについて、バス会社約70社に初めて警告文を送った。バス会社からは「申し訳ない」「運転手に周知を徹底する」などの応答があったという。

 新年度からは巡回調査を業者に委託し、観光バスが多い土日にも実施することで路駐の時間帯や場所など実態を正確に把握する。路駐が多いエリアには啓発員を配置し、引き続き駐車場への誘導や、観光マナーに関する要請文の配布を行う。

 市によると、市内の駐車場には観光バス約700台を止めることができる容量があり、昨秋の紅葉シーズンでも空きがあったという。市観光MICE推進室は「旅行会社やバス会社の協力を得てうまく誘導できれば路駐は防げる。引き続き呼びかけていきたい」としている。

© 株式会社京都新聞社