【オークス/追い切り診断】桜花賞組の人気一角は……まさかの辛口「B」評価 併せ馬で大きく先着の背景に拭えぬ“問題点”

第85回オークス(優駿牝馬/GI、東京芝2400m)には、桜花賞を制したステレンボッシュ、同3着のライトバック、最後方から追い込み4着に入ったスウィープフィート、オークスを大目標としてきたクイーンズウォークらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ライトバック」を取り上げる。

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■ライトバック

【中間調整】デビュー2戦目のアルテミスSではイレ込みながら4着。明けて今年初戦のエルフィンSで接戦をモノにすると、続く前走・桜花賞では道中17番手から直線ではメンバー最速の末脚を繰り出し2着アスコリピチェーノのクビ差の3着へ食い込んでみせた。決め手は世代でも最上位級のものがある。

血統や体型から2400m適性ありと判断され、桜花賞後数日でオークス行きが決定。短期放牧を挟んで4月25日に栗東へ戻っている。27日に坂路15-15を消化。以降はこれまで通りCW中心のメニューをこなしている。1週前はCWで併せ馬。序盤かなり行きたがっていたが鞍上がなんとかなだめ、直線では3歳未勝利を問題にせず抜き去って5馬身の先着を決めている。

【最終追い切り】レース当週もCWで併せ馬。2頭を大きく先行させて追走し、本来直線では左右の間に割って入る形を想定していたようだ。しかしこの日も力みがあり、制御に徹したため、外の1頭は無理に追わず、内の1頭を外からマクる形となった。この併せ馬自体は手応え圧倒で3馬身半差の先着としているが、やはりテンションの面はどうかと思わせるものがあった。

【見解】攻めは順調で、体調面や脚元などには不安はまったくなし。ただしやはり未知の2400mを走るにあたって力みが目立つあたりは気がかり。確かに中長距離で走れそうな血統背景ではあるが、ことこの馬に関しては資質、能力以前に気持ちのコントロールの部分で無駄に消耗しそうな嫌いがある。ある程度人気にはなるだろうが、そこまでの信頼は置きづらい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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