【お天気コラム】明確な表記なし?梅雨入りの「ごろ」について

今年の梅雨入りはいつ「ごろ」…?

雨の日が続くと「梅雨」の文字が見えてきますね。天気予報などでも「どこそこが梅雨入り〜」という言葉を耳にする時期になりました。

気象庁のウェブサイトで過去の梅雨入りと梅雨明けの(確定値)を見たところ、2014年以降の直近10年間で梅雨入りが一番早かったのは6月3日ごろ、最も遅かったのは6月14日ごろ、となっていました。

ごろって…?と思われた方、そうなんです。梅雨入り・梅雨明けには明確に何月何日、という明確な表記はありません。この理由については、そもそも「梅雨」についてなんぞや?を紐解いてみる必要がありそうです。

出典:リビング多摩Web

その年の梅雨入りと梅雨明けが決まるのは秋?

梅雨というのは、いわゆる季節でいう春から夏に移行する過程で、前後の時期と比べて雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象であり、梅雨の入り・明けには平均して5日程度の移行期間があること、気象庁で発表された期日は、このいこいう期間の概ね中日を記載している、とのことでした。

そしてもうひとつ注目すべきは(確定値)という言葉です。

実はその年の梅雨入りと梅雨明けの日については、梅雨の季節が過ぎてから「確定」されます。春から夏にかけて実際の天気の経過がどうだったのかを考慮・検討した上で統計値として確定したものが(確定値)として記載されているのです。

出典:リビング多摩Web

速報値を見て今のうちに準備を

これとは別に、気象予測をもとに梅雨入り・梅雨明けの(速報値)があります。雨が続く季節には、生活に影響を与えることから社会的な関心が高いため、天候の経過や1週間程度の先の見通しをもとに、気象庁から「梅雨の時期に関する気象情報」として発表されているのです。

ちなみに関東甲信地方の今年2024年の梅雨入り速報値は6月7日ごろ、明けの速報値は7月19日ごろとなっていました(2024年5月20日現在) この予想は平年値(2020年までの過去30年間の平均)と同じでした。

雨の日が続くと思うと憂鬱ではありますが、梅雨は梅雨でいつも通りにきてくれないと農作物への影響や夏季の水不足にも繋がりかねないですし。せめてお気に入りの傘を見つけてみるとか、レインウエアを新調するなど、なんとか心だけでも晴れやかに過ごしたいですね。

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出典:リビング多摩Web

加藤十果(かとうとか)

季節情報・防災ライター/防災士・東京防災コーディネーター・健康管理士・食生活アドバイザー・応急手当普及員・防火管理者・第三級アマチュア無線技士・ワイン検定を取得。実践的で役立つ防災術をテーマに、地域や人・企業を取材、土地リスクに合った防災や、身近な季節のことにスポットを当てる。空と富士山の変化を楽しみながら多摩川沿いを散歩するのが好き。

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