住宅街で「イノシシ」逃走中 なぜ港町で…?島根半島から泳いで渡ってきた可能性 スポーツ広場も疾走し、サッカー少年たち驚く

鳥取県境港市内でイノシシが逃走中です。
今週、目撃情報が連日寄せられていて、市が注意を呼び掛けています。しかし境港といえば港町。山などはなく、海に囲まれています。どうやら、海を泳いで渡ってきた可能性があるというのです。

境港市内のサッカーグラウンド。
21日、ピッチに現れたのは…そう、イノシシです。

21日午後6時頃、市民スポーツ広場に出没したイノシシは、ゴール裏を凄まじいスピードで走り抜けていきます。

サッカーの練習をしていた子どもたちも、驚いた様子で、避難しようとしています。

イノシシは再びピッチに降りてくると、芝生をトコトコと小走りで駆けていきます。

これと同じ個体と見られるイノシシが今週、市内の住宅街で連日目撃されていて、現在も逃走中です。

土江諒 記者
「イノシシの最初の目撃情報は19日日曜日のことでした。付近住民によりますと、去年もこのあたりでイノシシは確認されているそうです。そして、こちらの畑にはイノシシの足あとのようなものも確認できます」

境港市によりますと最初のイノシシの目撃情報は19日午後7時ごろ、外江町にある畑で目撃され住民から通報がありました。

20日の夕方には、同じ外江町内の学校近くの小川と森岡町内の神社付近での目撃情報が。

そして21日は、午後5時過ぎに夕日ヶ丘のスポーツ広場などで目撃されました。

イノシシの行動エリアは米子市方面へ、だんだんと南下しています。

市によるとイノシシの体長は50センチ以上ということですが、目撃者によると、思ったより結構大きかったそうで、警察や猟友会が協力して対策を行っています。

イノシシを目撃した近隣住民
「この犬は中型犬なんですが、この中型犬よりは大きかったです。あの向こう側を歩いてて、イノシシがいるって放送聞いてたら本当に目の前にイノシシがいたのでびっくりしました」
Qここの辺りではイノシシは出る?
「いや、聞かないです」

そう、境港は海に囲まれた町で、市内に山などはありません。イノシシはどこからやってきたのでしょうか?

鳥取県 鳥獣対策センター 西信介 副所長
「イノシシは比較的泳ぎは得意です。目撃情報などを考えると、やはり島根半島の方から海を渡ってきた可能性の方が高いかなとは思うんですけども、それこそ南の方とか、日野川沿いから弓浜半島、弓ヶ浜を通って、境港まで到達できないこともないです」

ただ今回の場合、目撃情報や移動経路などから島根半島から泳いできた可能性が高いと考えられています。

もし、イノシシに遭遇した場合、どんなことに注意が必要なのでしょうか。

鳥取県 鳥獣対策センター 西信介 副所長
「基本的に警戒心の強い動物なので、人の気配を感じるとずっと隠れて、通常の場合だと、なかなか人の人の前に出てくることはないので、出くわした場合はじっとして動かない、やり過ごすということが重要になると思います」

イノシシは視力があまり良くないため、じっと動かなければ認知されない場合が多いとのこと。

市ではイノシシを刺激したりエサを絶対あげたりしないよう注意を呼びかけています。

© 株式会社山陰放送