故中尾彬さんが愛した福井県のおろしそば、イチ押しの店で4杯ぺろり…全国へのPR活動に市長感謝

福井県勝山市制施行60周年の前夜祭に出席した中尾彬さん(右)。左は妻の池波志乃さん=2014年8月、福井県の勝山市民会館

 5月16日に死去した俳優の中尾彬さんは食通として知られ、妻で俳優の池波志乃さんとともに2012年に福井県勝山市の「勝ち山おろしそば観光特任大使」に就任。勝山のおろしそばをテレビ番組やイベントでPRした。訃報が伝わった22日、地元のそば店ら関係者に悲しみが広がった。

 中尾さんは夫婦で「手打ちそば八助」(同市栄町1丁目)に何度も訪れた。同店の義野陽子さん(54)は、12年4月の大使就任式後に中尾さんがおろしそばを4杯平らげたことを振り返り、「つるつると慣れた食べ方で、本当にそばが好きなんだという印象だった」と懐かしむ。

 中尾さんが「一押しの店」としてテレビ番組で紹介したこともあり、「中尾さんのおかげで確実にお客さんが増えた。今でも中尾さんのPRが来店の決め手のお客さんがおり、影響力を感じる」と話した。

 中尾さんを大使に委嘱した山岸正裕・前勝山市長は「何度も勝山に来ていただき、そばを夫婦で好まれた。勝ち山おろしそばを全国にアピールしていただき大変ありがたかった」と感謝し「まだまだ元気で活躍できる年齢なのに残念」と惜しんだ。

 水上実喜夫市長は「温かい人柄と才能で勝山市民に愛され、勝ち山おろしそばの魅力を全国に広めてくれた。中尾さんの協力で多くの観光客が勝山に訪れ、地域活性化に貢献してくれた」とのコメントを発表した。

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