中はホテルのよう 地元の渓谷感じる大きな吹き抜け 太陽HDの子会社が嵐山に新施設 「技術革新に貢献していく」

ホテルのような高層(4~6階)のオフィスエリア=嵐山町大蔵

 太陽ホールディングス(本社・東京都豊島区、佐藤英志社長)の子会社でエレクトロニクス事業を担う埼玉県嵐山町大蔵の太陽インキ製造(峰岸昌司社長)は、同社嵐山事業所内に新技術開発センター「Inno Valley(イノヴァリー)」を開設した。

 ソルダーレジスト(プリント基板の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となるインキ)の世界的メーカー・太陽ホールディングスグループが初めて手がけた施設で、“『ヒト』と『ミライ』が化ける”を掲げる。名称は嵐山渓谷をイメージし、「革新の渓谷」を造語した。

 エレクトロニクス事業における需要と社員の増加を背景に、半導体市場の回復に合わせて同事業をさらなる成長軌道に乗せ、人的資本経営を実現し、企業価値を高めることが狙い。開発部門をはじめとした社員主導で設計した。

 施設は地上6階。低層(1~3階)と高層(4~6階)で異なる環境。低層はラボエリアで、展示スペースや未実装エリアも。各材料室や実験室の行き来をスムーズにした回遊式導線となっているほか、各種先端設備を導入し、主製品のソルダーレジストや半導体関連材料をはじめとした基板周辺材料の開発・製造・評価までに要する時間が従来の3分の1に短縮されるという。

 高層はオフィスエリア。嵐山渓谷を感じられるダイナミックな吹き抜けで空間がつながっており、各所の大きなガラス張りの窓から嵐山の四季折々の豊かな自然が眺望できる。固定席に加え、次世代型のオフィスデザインАBWエリアを2フロア分設けた。АBWは「仕事をする環境は自分で選ぶ」という考え方に基づいた新しいワークスタイル。

 同社は「(今後も)ソルダーレジストで培ってきた技術をもとに、既存事業の継続した成長と新規事業領域の創造に注力し、エレクトロニクス分野の技術革新に貢献したい」としている。

施設名のボードを手にする太陽ホールディングスの佐藤英志社長(左から2人目)と太陽インキ製造の峰岸昌司社長(同3人目)ら

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