楽器を演奏するときの「呼吸」を考えよう!【榎政則の音楽のドアをノックしよう♪】

突然ですがクイズです。 楽器を次のように二つに分類してみました。違いはなんでしょうか?

Aグループ フルート・クラリネット・トランペット・ホルン・トロンボーン・サックス・鍵盤ハーモニカ・声

Bグループ ピアノ・ヴァイオリン・チェロ・ギター・ウクレレ・アコーディオン・ハーモニカ・口笛

「Aグループは息を使っていて、Bグループは息を使っていない」でしょうか?たしかにAグループは全て息を使って音を出しています。しかしBグループのハーモニカ・口笛も息を使っていますね。

「Aグループのほうが音量が大きい」でしょうか?たしかにAグループは音量が大きい傾向にありますが、フルートとヴァイオリンのどちらのほうが大きな音が出せるかというのは技量によりそうです。

⇒ピアノ上級者になってからの4つの段階とは…どのように上達していくのか?

「Aグループは和音が出せない、Bグループは和音が出せる」はどうでしょうか。かなり良い線をいっているように思いますが、「鍵盤ハーモニカ」は和音を出すことができるので、これが例外になっているようです。また、口笛も和音を出すのは難しそうです。(熟達している人であれば口笛で和音を演奏することも可能です)

答えを知っている人でも、「口笛」がBグループに入るのはおかしいと思っているかもしれません。

さて、そろそろ正解の発表です。

Aグループは、息を吐いているときのみ音が鳴ります。 Bグループは、息を吸っているときにも音を鳴らすことができます。

人の声が音楽の究極の目標なのか

「サックスは最も人の声に近い表現力がある」「オーボエは最も人の声に近い楽器である」「ヴィオラは人の声と高さも音色も似ている」 ほかにも、トロンボーン、チェロ、尺八・・・など様々な楽器で「人の声に近い」ということが魅力であると語られていることを聞いたことがあります。

「人の声に近い」ということは音楽の究極の目標なのかもしれません。しかし、それであれば、楽器を開発する必要はなく、声だけで音楽をしていれば良いという話になってしまいます。

そういうことであれば「人の声」そのものではなく、「人の声」にある「何か」が大切なのではないでしょうか。そしてその「何か」を考えてみましょう。

一つは「感情を伝えられる表現力」です。人が怒っているのか、リラックスしているのか、いらついているのか、疲れているのか、大体声を聞けばわかってしまいます。たとえ知らない言語で話す初対面の人であったとしても、それほど感情を外すということはないでしょう。

しかし、ピアノで「怒っている」と「いらついている」の差を出したり、「リラックスしている」と「疲れている」の差を出すのはなかなか大変です。もちろん、その差を表現する技術を身に付けるために、日々練習を重ねることになります。

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