まるで“宇宙生物”?ヤマトメリベ 日本固有のウミウシ 長崎ペンギン水族館初展示

投網のように大きく口を広げて餌を捕らえる姿が特徴的なヤマトメリベ=長崎ペンギン水族館

 ウミウシの仲間で日本固有の「ヤマトメリベ」が、長崎県長崎市宿町の長崎ペンギン水族館で初めて展示されている。体長約20センチ。頭巾と呼ばれる大きな口を広げ包み込むように捕食するのが特徴だが、生態など不明な点も多い。
 同館魚類担当の岡部敬斗さん(24)は「宇宙から来た生き物みたいで不思議。長期飼育に挑戦し、飼育方法を確立できたら」と期待を込めた。
 岡部さんによると、ヤマトメリベは、メリベウミウシ科。50センチほどまで成長する。水深50メートル付近で生息し回遊する。小型の甲殻類や魚を餌とする肉食性。体表にはピンク色の斑点模様や大小12本の皮弁と呼ばれる突起があり、身に危険が迫るとスイカやかんきつ類に似た香りを出すという。
 5月2日、同館近くの橘湾で養殖業者が海面に浮いているところを見つけ網で捕獲。「クラゲかな。初めて見る種類」と同館に持ち込んだ。今月中旬から1階の水槽に展示。水温や水流を試行錯誤しながら環境を整えている。
 県内では佐世保市鹿子前町の九十九島水族館(海きらら)が九十九島海域で4月に捕獲した1個体(体長約20センチ)を展示している。

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