エーッ‼お茶割りもやばいの? 酒+カフェインに農水省がXで注意喚起 興奮作用で飲み過ぎの恐れ 専門家ら「ほどほどが大事」

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 過剰摂取による健康被害が懸念されるとして、酒とカフェイン入り飲料を一緒に飲まないように求める農林水産省のX(旧ツイッター)の投稿が注目を集めた。エナジードリンクで酒を割る飲み方への注意喚起だが、緑茶などにもカフェインが含まれることから「お茶割りも危険なのか」といった反応が散見された。

 農水省によると、人気ユーチューバーの動画の影響か、酒のエナジードリンク割りに関する問い合わせが相次いだため8日に投稿した。投稿は2600件以上転載され、表示は100万回を超えた。

 エナジードリンクの中にはカフェイン濃度の高い製品がある。カフェインの取り過ぎはめまいや震えを引き起こし、エナジードリンクの多用で中毒死した例も。酒との同時摂取による健康被害は明らかではないが、カフェインの興奮作用で酔いが分かりにくくなり、飲み過ぎて過剰摂取につながる恐れがあるという。

 農水省の投稿はカフェインを含む飲料の例にコーヒーや茶も挙げる。このため「緑茶ハイやコーヒーリキュールを禁止したいのか」「抹茶ハイはどうなの」といった書き込みもあった。

 鹿児島県内では特産品を組み合わせ、焼酎の緑茶割りの普及を図ってきた。

 ある酒造会社の製造責任者は「粉末茶で割れば風味がよく見栄えもいい。カフェインを意識したことはなかった」と困惑。鹿児島市の居酒屋「火の玉ボーイ」の齋藤光代表は「県内外で昔からお茶割りが飲まれてきた。割り方にかかわらず適正量を楽しんでもらうことが大事だろう」と話す。

 100ミリリットル当たりのカフェイン含有量はエナジードリンクの32~300ミリグラムに対してコーヒー60ミリグラム、煎茶やウーロン茶は20ミリグラム。国によるが、健康な成人で1日の摂取上限は400ミリグラム程度とされていて、単純計算でも煎茶なら2リットル分に相当する。

 農水省の担当者はカフェイン感受性には個人差があると前置きしつつ、「緑茶などの天然成分のカフェインは濃度が極端に高いことはない」として適切な摂取を呼びかける。

 茶を研究する県立短期大学(鹿児島市)の木下朋美助教は「(歴史書の)『吾妻鏡(あづまかがみ)』には、二日酔いの源実朝に栄西禅師が抹茶を献じて回復したと記されている。お茶は悪酔いを防ぐ効果があると言われており、限度を守ってお茶の良い効果を活用すればいいのでは」と指摘した。

酒とカフェイン入り飲料を一緒に飲まないよう注意喚起する農林水産省の投稿のスクリーンショット

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