松山で広がる無人店 ホテル・古着店・弁当店、省サービスで高コスパ実現

「松山大街道 ホテルさくら」の玄関外に設置された端末。暗証番号を入力すると解錠される=23日午後、松山市二番町2丁目

 販売や接客などのサービスに人手をかけない無人の店が松山市内で広がりを見せている。人件費がかからないため価格を抑えられ、非接触対応が好まれるなど店と客双方に利点があるようだ。

 市中心部の大街道商店街脇に昨年9月オープンした「松山大街道 ホテルさくら」(二番町2丁目)。市保健所によると、市内初の完全無人ホテルという。

 インターネット予約時に暗証番号がメールで通知される。玄関外に設置の端末に番号を入力すると解錠され、チェックインや部屋の解錠も端末を操作するだけ。連泊を想定し、各部屋に台所や調理器具をそろえる。宿泊中の困りごとは、提携する近くのビジネスホテルや不動産会社、警備会社が対応する仕組み。

 接客がないことを「店員からのプレッシャーを感じない」とPRするのが洋服販売のレトロ(東京)が展開する無人古着店だ。2022年の宮崎市を皮切りに西日本を中心に店を構え昨年9月、「無人古着ラボ松山店」(松山市平和通2丁目)をオープンした。

 古着ラボの近くには24時間営業の無人弁当店も。23年1月開店の「ウパウパ平和通店」(同)はボリュームと全品500円という安さで注目を集める。

 ご飯の量は全て350グラム。豚のしょうが焼きやチキンカツといったおかずが容器いっぱいに詰め込まれている。一番人気は唐揚げやオムレツなどが入った総重量1キロののり弁当という。

「無人古着ラボ松山店」に並ぶ大量の洋服=13日午後、松山市平和通2丁目
ボリュームたっぷりの弁当が並ぶ「ウパウパ平和通店」=17日午前、松山市平和通2丁目

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