7―9月にライドシェア 志摩市、実証へ推進会議 三重

【日本版ライドシェアの実証事業について話し合う「志摩市ドアtoドア輸送推進会議」の関係者ら=志摩市阿児町の市消防本部庁舎で】

 【志摩】タクシー事業者の管理の下、一般のドライバーが有償で客を運ぶ「日本版ライドシェア」の実証事業を予定している三重県の志摩市は24日、市消防本部庁舎で「志摩市ドアtoドア輸送推進会議」を開き、7―9月の間で2カ月程度、午後6時―午前0時に車両3台を運行するという実施案を示した。ライドシェアに関する取り組みは県内では初めてとなる。

 市によると、賢島(阿児町)や的矢地区(磯部町)などの宿泊施設と、市内の観光地や飲食店が集中する近鉄鵜方駅周辺エリアへの移動の対応が不十分との声が上がっており、夜間を中心に観光客らがタクシーを利用しづらいことが課題となっているという。市は観光客のニーズに応え、経済活動を活性化するため、実証事業に取り組むことにした。

 会議には橋爪政吉市長、国や県の関係者、県タクシー協会、市観光協会のほか、一見勝之知事がオンラインで出席。市の担当者が実証事業の概要や実施案を説明した。県は事業費の半額を補助する考えを示した。

 実証事業では、タクシー車両や一般ドライバーの所有車両など3台を使用。タクシー事業者がドライバーを5人程度募集する。利用者は配車アプリを使って予約し、事前に確定した運賃をキャッシュレス決済で支払う。

 一見知事は「県としても全力で支援させてもらう」と述べ、橋爪市長は「持続可能な交通の実現を目指すことは市の責務であり、実証事業をその一歩にしていきたい」と話した。

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