5月中に断水解消 「宅内修復へ助成制度活用を」 県議会定例会開会

提出議案説明をする馳知事=28日午前11時18分、石川県議会

 石川県議会6月定例会は28日開会し、6月補正予算案など提出議案の説明で馳浩知事は、能登半島地震で発生した断水が今月末までに解消する見通しになったと明らかにした。27日現在、輪島、珠洲の2市の2030戸で断水が続いている。解消は大規模な土砂崩れや多数の建物倒壊が発生した地域は除く。断水が解消しても、宅内配管が壊れている世帯もあり、馳知事は遠方業者に依頼した際の出張費を助成する新制度の活用を呼び掛けた。

 地震により、最大16市町の11万戸で断水した。その後、順次解消が進み、発生から約3カ月後の4月2日時点では、4市町6680戸まで減少した。ただ、道路に倒壊した家屋の下に管路があるなど被害が甚大だった輪島、珠洲両市では解消に時間がかかっている。

 一方、宅内の水道管が損傷して水が使えない住宅があり、能登では事業者の数が限られることもあり、実際の断水戸数は、県の発表数を上回っている恐れがある。このため、県は遠方業者に依頼した場合の経費を支援する制度を創設した。

  ●義援金3次配分、6月にも委員会

 馳知事は、義援金の第3次配分を協議する配分委員会を6月にも開く意向を示した。1回目は2月1日で6市町の住民に対する一律5万円の配分と人的・住家被害に応じた配分、2回目の4月3日には人的・住家被害に対してさらに上積み配分することなどを決めている。

  ●森林公園の木育施設7月開所

 馳知事は7月20日、津幡町の県森林公園で整備を進めている全天候型の大型木育施設がオープンするとした。前日に記念式典を行う。同公園では、4月にいしかわ動物愛護センターが開所しており、7月20日にドッグランの供用開始に合わせてグランドオープンイベントも開く。

  ●輪島の孤独死受け「見守り強化する」

 馳知事は輪島市の仮設住宅で起きた70代女性の孤独死について「大変残念で、お悔やみを申し上げる。社会的弱者への見守り体制が一層重要となる。今後、プッシュ型支援による見守りを強化したい」と話した。本会議後、報道陣の取材に答えた。

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