【インドネシア】電池材料の中偉、東南スラウェシに拠点計画[資源]

アイルランガ調整相(中央)は中偉新材料の工場を視察した(経済担当調整省提供)

インドネシア経済担当調整省は26日、中国の電池材料メーカー中偉新材料は、第4四半期(10~12月)にも東南スラウェシ州北コナウェ県で新たな施設を建設することを計画していると明らかにした。中偉新材料は2021年以来、インドネシアに32兆1,000億ルピア(約3,130億円)規模の投資を実行してきた。

同省によると、新施設は北コナウェ県のテクノ・ヒジャウ・コナサラ工業団地(KITHK)に設ける。同工業団地の敷地面積は5,000ヘクタール以上。中偉新材料はすでに、インドネシア国内で、◇モロワリ(中スラウェシ州)◇北モロワリ(同)◇ウェダベイ(北マルク州)◇バトゥリチン(南カリマンタン州)——の4カ所に拠点を持つ。

アイルランガ調整相(経済担当)は、中国欽州にある中偉新材料の生産工場で、同社が有する酸素富化型側面吹付炉(OESBF)を視察したほか、リチウムバッテリーに使用される前駆体の製造技術や電解ニッケル技術などを確認した。中偉新材料はインドネシア産ニッケルを使用して純度99.99%の電解ニッケル(ニッケルカソード)を生産しているという。

アイルランガ氏はまた、中偉新材料に対し、ジョクジャカルタ特別州にある国立ガジャマダ大学にニッケル加工やエネルギー素材の研究開発(R&D)センターを立ち上げることへの支援を要請した。中偉新材料のトウ(登におおざと)偉明会長は、「インドネシアでの新エネルギー開発に関連する素材産業の多様化に貢献するため、有名大学との協力を進めたい」と応じた。ガジャマダ大学は協業を通じ、リサイクルやレアアース研究の進展に貢献することを期待している。

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