ものづくり工房が福島県いわき市の福島高専に完成 起業家教育の一環 最先端機器備える

開所式後の内覧会で3Dプリンターの説明を受ける出席者

 福島県いわき市の福島高専が起業家教育の一環として学内に整備してきたものづくり工房「磐陽テックガレージ」が完成し、28日に開所式が行われた。最先端機器を備え、学生がアイデアや技術を形にできる場として開放し、ものづくりを基盤とした起業を後押しする。

 文部科学省の「高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業」補助金を活用し、2023(令和5)年度から整備を進めてきた。ガレージのうち「工房スペース」は約60平方メートル。タイプの異なる3Dプリンター4台をはじめ、プラスチックや皮革、木材などさまざまな素材に直接印刷できるUV(紫外線)プリンター、レーザー加工機など素材の加工・切削を行う15種類の機器を導入した。

 工房スペースとは別に約30平方メートルの「スタジオ」も確保。6Kシネカメラや4Kスタジオカメラ、ミキサー、照明機器を備え、動画やアプリケーションなどデジタルコンテンツを制作できる。

 福島高専は学生が授業や課外活動で自由に活用できる「試作スペース」として工房を位置づけ、ものづくり・ビジネスコンテストへの応募を促すなど、起業家育成を進める。工房を拠点に学生と企業・団体との共同研究にもつなげ、ものづくりを通じて地域課題の解決に貢献する。

 開所式では田口重憲校長が「学生の座学と実践を結ぶ貴重な施設。学年、学科を問わず幅広く活用してほしい」とあいさつした。引き続き施設の内覧会が開かれた。

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