「平和と調和」モニュメント寄贈 バングラデシュが長崎市に 「原爆犠牲者に心寄せ」 

平和モニュメントを除幕するバングラデシュのチョウドリー大臣(右から2人目)や鈴木市長(左から2人目)ら=長崎市、平和公園

 パキスタンからの独立戦争を経験したバングラデシュが、長崎市に「平和と調和」の大切さを表すモニュメントを寄贈し、松山町の平和公園に設置された。除幕式が28日あり、来日したR・A・M・オバイドゥル・ムクタディール・チョウドリー住宅・公共事業大臣は取材に「バングラデシュ国民は平和と核兵器廃絶を願い、広島と長崎(に投下された原爆)で亡くなった人に心を寄せている」と語った。
 市は1977年に同公園内の「世界平和シンボルゾーン」建設計画を制定。その趣旨に賛同する国や都市から、平和と人類愛を象徴するモニュメントを受け入れている。寄贈は今回が8年ぶり17基目となる。
 バングラデシュのモニュメント「おお、私の鳥よ」は、高さ約3メートル、幅2.5メートル。黒の御影石で原爆犠牲者への哀悼や、不正に立ち向かう決意を表現。上部にハトをかたどった白い大理石を配置し、平和や愛情、調和への願いを込めた。
 除幕式にはチョウドリー大臣が出席。71年の独立後に同国の戦後復興を支援した日本に感謝し、「バングラデシュと日本の友情が長く続くように」とあいさつ。鈴木史朗市長は「モニュメントは平和に対する情熱と決意の表れ。世界に向けて平和を発信する大きな力添えになる」と述べ、同国に感謝状を贈った。

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