“塀の中”に笑顔と歓声 大田原・黒羽刑務所跡で「こどもまつり」 見学ツアーも

塀に囲まれた会場で催しを楽しむ子どもたち

 【大田原】地域の活性化を図ろうと、市内事業主による実行委員会は26日、寒井の黒羽刑務所跡地で、初の「大田原こどもまつり」を開いた。大勢の家族連れらが、非日常の空間でさまざまな催しを楽しみ、見学ツアーが行われた受刑者収容棟には興味津々だった。

 午前中から人が詰めかけ、数百台分の駐車場が満車になった。子どもらは縁日ブース、リズム教室などに夢中になり、キッチンカーで飲食を味わった。刑務所跡の塀の脇にシートを広げる人たちも。収容棟見学ツアーは列が絶えなかった。

 那須烏山市荒川小4年照内陸斗(てるうちりくと)さん(10)は「収容棟は思ったより狭かった。いろいろな催しがあって楽しかった」と笑顔。

 まつり実行委員長の山内忠明(やまうちただあき)さん(47)は予想を上回る来場者に「普段見られない会場が興味を誘ったのだろう。少しでも刑務所の負のイメージを変えるきっかけになったのでは。子どもたちの地元への思いを育む機会になってくれたら」と話した。

© 株式会社下野新聞社