内視鏡手術でミス、膵管を損傷 2カ月後に男性死亡 川西市が過失認め、遺族に1500万円賠償へ 兵庫

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 川西市は29日、旧市立川西病院が2017年に80代男性を手術した際、誤って膵管を傷つける事故があったと発表した。男性は一時回復したが、合併症が悪化し約2カ月後に死亡した。市は過失を認め、男性の遺族に1500万円を賠償する方針。6月5日開会の市議会定例会に関連議案を提出する。

 市によると、男性は17年6月6日、総胆管にある結石を取り除く内視鏡手術を受けた。医師は総胆管方向にガイドワイヤーを進めたが誤って膵管の壁を破り、翌日に膵炎が確認された。

 同病院は治療を行ったが十二指腸にも炎症が広がるなど重症化する傾向がみられ、集中治療室のある大阪府内の病院に転院。一時は食事が取れるまで回復したが、持病の肺疾患と腎不全が影響するなどし、同年8月9日に亡くなった。

 男性の遺族は「手術ミスがなければ亡くならなかった」と主張し、川西市と協議。市は「手術と男性の死因との因果関係は不明」としつつも、「医療行為で膵管損傷や膵炎に至った部分には過失があった」と認め、今月13日、賠償金を支払うことで合意した。(浮田志保)

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