加重収賄の疑いで元職員の男の逮捕を受け一関市長が会見で陳謝 市発注の水道工事巡り

岩手県一関市が発注した水道工事の入札情報を漏らし、その見返りに業者から飲食などの接待を受けたとして、市の元職員の男などが逮捕された事件で、市は29日会見を行い陳謝しました。

(一関市・佐藤善仁市長)
「誠に残念である。決してあってはならないことがあった。市民に対しまして誠に申し訳ない」

この事件は2019年5月から2022年3月までの間、一関市が発注した5件の水道工事を巡る入札情報を漏らし、その見返りとして複数回にわたり、飲食の接待など二十数万円相当の賄賂を受け取った加重収賄や官製談合防止法違反などの疑いできのう、市の元職員・那須野長己容疑者(59)が逮捕されたものです。また、贈賄などの疑いで一関市の水道会社「永沢水道工業」の元社員・千葉敏郎容疑者(68)も逮捕されました。

市によりますと、那須野容疑者は加重収賄などの疑いが持たれている期間、上下水道部次長兼給水課長を務めていて、入札情報を知ることができる立場だったということです。那須野容疑者は2024年3月に体調不良を理由に退職したということです。永沢水道工業は5件の水道工事のうち3件を落札し、落札額は合わせて1億4000万円余りです。市は元職員の逮捕を受けて29日に会見を開きました。会見で一関市の佐藤善仁市長は陳謝した上で永沢水道工業の対応について、指名停止も含めて検討すると話しました。また、那須野容疑者の退職金については刑が確定してから返還請求を行うかも含め判断するとしています。

警察は那須野容疑者が各工事の入札価格に関する情報を漏らし千葉容疑者が入札金額を調整していたとみて慎重に捜査を進めています。

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