県立橿原考古学研究所 古墳時代の鏡の製作過程を再現

古墳時代に権力の象徴として大切にされた鏡の製作過程を再現した研究成果が、県立橿原考古学研究所で29日から展示されています。

県立橿原考古学研究所では、2021年度から科学研究費の助成を受け、同じ文様の鏡を量産する技法などの研究を進めています。展示されているのは1枚の鏡を元に複数の鋳型を作り、鏡を生産する技法の再現実験の成果です。鋳型の乾燥前や後、鋳造後の鏡を三次元計測で細かく記録し、条件によって異なる変化を調べました。

この技法で作られた鏡は5世紀から6世紀に集中していて、これまで鋳型の乾燥などで元の鏡より小さくなると考えられていました。しかし再現の結果、収縮率が高くなるのは、粘土の比率が高い鋳型で、条件は限られていることが分かりました。

県立橿原考古学研究所・資料課 水野 敏典課長

「形の作り方や、乾燥など、いくつかの条件が絞られてきますので、非常に限られた、よく似た技術を持った人たちの中で作られた鏡だということがわかりました。」

この展示は7月23日まで行われていて、県立橿原考古学研究所では今後、三角縁神獣鏡の製作過程も再現したいとしています。

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