「心苦しいが決断した」樹齢800年の「ご神木」を伐採 広島・熊野町の神社

地元の人たちに親しまれた「ご神木」が29日、引退の日を迎えました。広島県熊野町の神社で、樹齢800年を越える巨木が伐採されました。

熊野町の榊山神社です。ご神木は、樹齢800年といわれるスギです。

宮本学知 記者
「こちらのご神木、幹の太さはわたしが手を広げても全く手が届きません」

70年ほど前、このご神木に雷が落ちましたが、社殿は火災を免れたことから、地元の人から「神様と神社を守った木」として親しまれていました。

住民
「雨の日に娘と散歩した時に雨宿りしたことがあって。『すごく大きな木だね』と2人で話したことがある。本当に?という感じ。800年ももった木がきょう伐採されるのはすごくさみしいという気持ちです」

おはらいをして、いよいよ伐採です。

ご神木は落雷を受けた部分から腐食して傾き始めたため、ワイヤで固定されていましたが、大雨や地震で倒れるおそれがあるため、伐採することになりました。

榊山神社 梶山望 宮司
「わたし自身もここで生まれ育って、小さいころから当たり前のように立っている。倒れたときに人が歩いていたら大惨事になりかねない。生きている木を切ることは心苦しいが、決断しました」

次々と切られていくご神木。枝にさえぎられていた光が、神社に入りこむようになりました。

榊山神社 梶山望 宮司
「これからさらに短く切って1mぐらいを『ご神木跡』として当面は残すつもりなので。地域の方や町外の方にも見に来ていただけたらと思っています。

伐採されたご神木の一部は、神社で授与されるお守りの中に入れられるそうです。

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