3月末に運航再開のFDA出雲-静岡線 利用低迷 周知不足やダイヤ変更の影響か 4月は前年比40%超減少

出雲空港を離陸するフジドリームエアラインズ(FDA)の航空機(資料)

 出雲空港(出雲市斐川町沖洲)を発着するフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)の静岡線の利用が低迷している。今年1月に一時休止し、3月末に運航再開したものの、周知不足やダイヤの変更で4月の搭乗率は前年同月を30ポイント超下回る40.1%だった。山陰と東海圏を結び、ビジネス利用のニーズも高い路線だけに、島根県は冬期の利用促進策を前倒しするなどし需要喚起する。

 県交通対策課によると、静岡線の4月利用者数(速報値)は1966人で、前年同月の3280人から40.1%減った。搭乗率も前年の71.7%から31.6ポイント減の40.1%と低下。FDAが採算ラインとする70%を大きく割り込む。

 要因の一つは、ダイヤが静岡側の利用者にとって不便になったこと。従来は出雲発が午後2時半、静岡発が午前8時10分で、静岡側にとって利便性が高かったが、再開後は出雲発が午後3時、静岡発が午後2時15分に。仙台便の廃止による機材繰りなどが影響したとみられ、運航再開の周知不足も一因とみられる。

 5~8月の予約率も平均20.8%と、FDAの国内全路線の平均28.8%を下回る。

 事態打開に向け、県などは客足が落ちる冬期の対策事業を前倒す方針。12~2月に予定した静岡線の個人向けキャッシュバックを6~8月とし、旅行商品造成支援は12~2月から7~2月に拡大する。

 事業主体は、県東部の自治体や商工団体などでつくる「21世紀出雲空港整備利用促進協議会」で、事業費は2800万円(うち県費1400万円)。県交通対策課の佐川賢一課長は「冬対策で確保していた予算を使ってでも、利用促進に努めたい」と話した。

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