湯船に響く湯もみ唄 大正時代からの伝統 那須・鹿の湯で一般公開始まる

湯もみ唄に合わせ、板で湯をかき混ぜる保存会の会員たち=29日午前11時5分、那須町湯本

 栃木県那須町湯本の鹿の湯で29日、大正時代から続く「湯もみ」の一般公開が始まり、湯もみ保存会の会員たちが伝統の那須湯もみ唄に合わせて湯をかき混ぜた。

 湯もみはかつて、地元旅館の女将(おかみ)らが行っていた。担い手不足で一時途絶えたが、2013年に地元観光ボランティア有志で組織する同会が復活させ、継承している。

 この日は、かすり着姿などの会員7人が鐘の音を合図に浴場へ入り、那須の情景を盛り込んだ湯もみ唄を披露。入浴客から手拍子が送られる中、リズムよく板を動かし、湯をかき混ぜた。

 同会の斎藤留美子(さいとうるみこ)会長(75)は「保存会の会員も入浴客も、一緒に楽しむことが大切。湯もみを通して一緒に盛り上がりたい」と話した。今年も11月までの毎月最終水曜日の午前11時に実施する。

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