混迷を極める“モンスター”井上尚弥の次期対戦相手、米メディアが有力候補3人をピックアップ「価値のある敵」「喜んで任務を引き受けるだろう」

米スポーツサイト『The Sporting News』が現地5月28日、プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)の今後の対戦相手を考察する特集記事を配信した。

対戦が有力視されていたサム・グッドマン(オーストラリア)は、井上以外のボクサーと7月に母国でノンタイトル戦を行なうと28日に発表したため、候補者から消えた。同メディアは、「グッドマンは12月のイノウエ戦をターゲットにしているようだ」と言及しながら、井上にとって「選択可能なオプション」として3人の名前を挙げた。

ひとり目は、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)だ。井上とはバンタム級時代から対戦の噂もあった元世界3階級制覇王者で、「イノウエにとって価値のある敵になるだろう」と記載。「カシメロが今後、イノウエの神経を逆撫ですることを選択した場合、対戦に向けた議論を巻き起こす可能性がある」と記している。

次に挙げたのは、元WBA&IBFスーパーバンタム級王者で、“MJ”ことムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)。「2023年にイノウエと戦う予定だったが、12月に“モンスター”の犠牲となったマーロン・タパレスに統一王座を奪われた」と振り返り、「イノウエがこの階級で最大の賞金を手にする選択肢とを考えれば、“MJ”は喜んで任務を引き受けるだろう」と見通している。
3人目の候補には、元IBF世界スーパーバンタム級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)を挙げた。井上の対戦相手として“ワイルドカード”と位置付けた同メディアは、「カシメロやアフマダリエフと同じくらい、いや、それ以上に井上戦を勝ち取る権利がある」と指摘。18年に日本人王者からベルトを奪った実績に触れながら、「IBFスーパーバンタム級タイトルを獲得して以来、ドヘニーは日本で人気者のような存在だ」と評している。

ほかにも、「日本の破壊者は122ポンドでは対戦相手が少なく、すぐにでもフェザー級に転向すると多くの人が予想している」と記しており、現階級での防衛戦マッチメイクが困難だと指摘した。井上陣営は9月の試合開催を望んでいるなか、4団体統一王者の前に立つ選手は果たして誰になるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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