「お前ら引き立て役になるのか」「お膳立てするのか」東京V城福監督がソシエダ戦前のガツンを答え合わせ。久保建英の印象は?

東京ヴェルディは5月29日、国際親善試合で久保建英を擁するレアル・ソシエダと国立競技場で対戦。前半と後半の終了間際にゴールを奪われ、0-2で敗れた。

16年ぶりにJ1を戦う東京Vは、3日前にヴィッセル神戸と戦ったうえ、4日後に北海道コンサドーレ札幌戦が控える。連戦中ということで、今回のソシエダ戦で主力は軒並み欠場。出番が限られているメンバーで臨み、ユースや特別指定の大学生2人も出場した。

城福浩監督は試合後の会見で、4万人が駆けつけた聖地での一戦を振り返るなかで、自身が下した決断に関して、こう語った。

「最後、際どい勝負に持ち込みたかったが、リーグ戦のレギュラー陣を入れなかったのも私の決断だし、経験だと思ってユースの選手を入れたのも私。0-2のスコアで終わったのは私の責任だと思う。選手は頑張ったが、手応えを結果として連動させられなかった。

多くの方に来てもらって、気の抜けたプレーだけはしない意味では、今持てるものを出してくれたかなと。今日出たメンバーはリーグ戦に絡んでいけるように、絡ましてあげられるように、我々もしっかりナビゲイトしていく」

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普段スペインでプレーする久保にとっては、凱旋試合となった。指揮官は、この幼少期にヴェルディのスクールに所属していた日本代表MFと、ソシエダの印象を問われた際はまず、「コンディションが万全じゃないのは承知していた」と説明。そのうえで、100%ではない状況でありながらも見せつけた、確かなプレーにリスペクトを示した。

「やはりポジショナルなプレーは、フィロソフィーとして共有されているんだなと。我々のプレスが甘ければ、簡単にかわしてくる。彼らが持っている基本技術の高さを感じた。特にラストに何枚か代えた選手は、我々と大きく差がある。こういうところの底上げもやはり、ソシエダはしっかりとボトムアップしている。我々もしっかり学ぶ必要がある。

彼(久保)はある意味、スポットライトを浴びる試合になると思っていたが、我々としては『じゃあ、それをお膳立てするのか』と。『お前ら引き立て役になるのか』という感じで送り出したので、久保(と対峙した左)サイドは相当頑張ったと思う。ただそれでも決定的な仕事をしてくる技術の高さは、良い刺激を受けたと思う」

世界基準を肌で感じた緑の戦士たち。中3日で臨む札幌戦以降の躍進に期待したい。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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