浦頭地区に国際クルーズ船初寄港へ 音楽、花火で“開港”祝う 6月1日、佐世保

 長崎県佐世保市の浦頭地区に6月1日、初めて国際クルーズ船が寄港する。拠点となるターミナルビル「佐世保クルーズセンター」には免税店や観光案内所を設け、受け入れ準備が進む。当日は音楽イベントや打ち上げ花火などで“開港”を祝う。

受け入れ準備が進む免税店のスペース=佐世保市針尾北町

 初寄港はイタリア船籍のコスタ・セレーナ。5月31日に韓国・釜山を出港。1日午前9時に浦頭岸壁に着岸、同日午後8時に佐世保を離れる。乗客は韓国人ら約1500人を予定している。
 市は初寄港を記念したイベント「クルーズフェスティバルin浦頭」を企画。グルメやスイーツ、ハンドメイドなど45店舗が出店する。音楽イベントやよさこいの披露もある。
 地元の有志らでつくる浦頭埠頭(ふとう)恵比須湾対策協議会(富田安文会長)は、出港時間に合わせて一尺玉を含む約250発の花火を打ち上げる。一尺玉は開いた時の直径が280~300メートルと大きく、迫力満点。富田会長は「待ちに待った寄港。クルーズ寄港をきっかけに地域が潤ってほしい」と話す。
 当日は市中心部の三浦地区と浦頭地区を結ぶ無料の水上バスを運航する。三浦地区側は、させぼ五番街前を発着地とし、午後0時半から30分間隔で運航。約20分で結ぶ。最終便は午後8時45分に浦頭地区を出る。先着千人に、クルーズ会社「コスタクルーズ」と市港湾部のコラボボールペンのプレゼントもある。

受け入れが始まる「佐世保クルーズセンター」

 佐世保クルーズセンターは延べ床面積約6500平方メートルの鉄骨造一部2階建て。佐世保唯一の免税店、観光案内所、CIQ(税関、出入国管理、検疫)機能を備える。受け入れを前に28日は関係機関がCIQでの乗客の動線を確認。免税店のスペースでは陳列棚が順次設置されており、家電や日用品などを棚に並べる準備に追われていた。
 浦頭地区での受け入れが始まると、市内のクルーズ船の拠点は2カ所になる。浦頭の岸壁は三浦地区と同じ370メートル。18万トン級が接岸でき、アジア最大級のクルーズ船にも対応できる。クルーズ船の経済効果は高く、市は「誘致に弾みがつくと期待している。受け入れを継続させたい」としている。

© 株式会社長崎新聞社