市独自、5歳児に「出前健診」 岩手・大船渡市4園で無料スタート

5歳児健診で子どもたちの成育状況を確認する大津修医師(右)=29日、大船渡市盛町

 就学前に子どもの発達状況を調べる「5歳児健診」が29日、岩手県大船渡市でスタートした。国が1月に公費負担の対象に加えたことを踏まえ、市が委託した小児科医が保育施設に出向き、無料で診察する。法律で1歳半と3歳児の健診は義務付けられているが、以降は就学直前しかなかった。5歳児は発達障害の兆候が分かる頃で、いち早く適切な対応につなげられるとされ、市独自の「出前健診」は県内自治体に先駆けたモデルケースとして注目される。

 この日は大津小児科ファミリークリニック=同市盛=の大津修院長(59)が盛こども園(久保田ユウ子園長、園児96人)を訪問。年中児17人のうち、10月までに5歳を迎える8人を診察した。

 市は本年度、市内13の保育施設(園児計約170人)のうち、大津院長が園医を務める4施設(同約80人)を対象に健診を実施する方針。保護者向けの説明会を今後開き、結果を伝える。通常の健診に合わせて実施するため、本年度の新たな費用負担は発生しない。

© 株式会社岩手日報社