50代になると、甥や姪の結婚式への出席がメインになるかもしれません。友人の結婚式に出席していた若いころは違い、叔父や叔母といった親族としての出席には、大人の対応が求められます。立場を理解して、ふさわしい行動をとりたいものですね。現代礼法研究所主宰の岩下宣子さんに教えていただきます。
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結婚式場での基本のマナーと心得
結婚式には交通機関の遅延なども見込んで、少し早めに着くように、時間に余裕をもっていくことが最も重要。開宴の20〜30分前までに着くようにするのが目安です。
受付、入場、披露宴とそれぞれにしきたりがあるので、決まりどおりに進むのがマナーです。祝儀袋の差し出し方や記帳の仕方など、きちんと行うのが大人の品格といえます。
親族の場合、挙式から参列することも多いので、流れを把握しておきます。進行役の人や司会者が指示するとおりにすれば、迷うことはありません。
叔父や叔母など親族の場合、新郎新婦やその両親を祝福するという意味で、招待客のひとりですが、ほかの参列者から見れば、主催者側でもあります。一般の招待客へは、主催者側に立ってお礼を述べるなど、二重の立場を理解して、ふさわしい対応をすることが求められます。
披露宴ではマナーを守り、なごやかに歓談を
披露宴では、媒酌人、主賓のあいさつの間は話し手のほうを向き、しっかり聞くのがマナーです。
乾杯がすんだらテーブルマナーに沿って食事を楽しみます。臨席の人と簡単な自己紹介をし、会話を心がけます。食事中でもスピーチのときは、手を休め、話を聞きます。
花束贈呈や両家のあいさつなどが始まるまでに食事を終えるようにし、お開きになったら席次表などを持ち、同席者に簡単にあいさつをしましょう。出口で新郎新婦や両親とあいさつしますが、心を込めた一言にし、流れを止めないことも大切。
披露宴会場での流れとマナー
会場到着から入場まで
受付ではお祝いのあいさつを
まず、「本日はおめでとうございます」と述べて、新郎新婦との関係と自分のフルネームを伝えると名簿の確認がスムーズになります。ふくさから祝儀袋をとり出し、受けとる人から見て正面になるようにお祝いを渡します。
入場の流れを止めないように
会場へは、係員の指示にしたがって入場します。入り口で新郎新婦や両親が出迎えていれば、一言お祝いを言いますが、話し込んで流れを止めないようにしましょう。
披露宴会場で
初対面の人には自己紹介を
披露宴の雰囲気づくりも年上の招待客の役目です。着席時は、同じテーブルの人に軽く会釈を。臨席の人が初対面なら、簡単に自己紹介し、会話のきっかけをつかんでおきます。
あいさつ、スピーチは真剣に聞く
媒酌人のあいさつ、主賓のあいさつは、話している人のほうを向き、真剣に話を聞きます。食事中に行われるスピーチのときも、手を休め、周りの人とのおしゃべりは控えます。
歓談のポイント
必ずしも知り合いと同じ席になるとは限りません。主役である新郎新婦の印象を損ねるような話題はつつしみます。また、披露宴に限らず、政治や宗教、金銭の話題も避けたいものです。
食事のペースは周囲に合わせて
テーブルマナーを守って食事を楽しみます。歓談に夢中になるとペースが遅れがちになるので注意を。両親への花束贈呈を始まったら、食事は終了です。
披露宴終盤から退場まで
終盤のセレモニーは厳粛に
両親への花束贈呈や両家代表のあいさつが始まったら、食事も私語もやめ、セレモニーに集中しましょう。宴の最後を厳粛に、あたたかく見守ります。
メニューなどは持ち帰る
お開きになり、席を立つときは、同じテーブルの人に「ありがとうございました」と軽く礼をしましょう。席次表や席札、メニューは各招待客に用意されたものなので、記念に持ち帰るのがマナーです。
新郎新婦に簡単なあいさつを
出口では、新郎新婦と両親、媒酌人夫妻が見送りをしています。招待のお礼を述べ、「すてきな披露宴でした」「末長くお幸せに」など、簡単なあいさつをしましょう。流れを止めないように手短にすませるのがマナーです。
※この記事は『50代からの冠婚葬祭きちんとマナー』岩下宣子監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。
※2023年11月16日に配信した記事を再編集しています。
監修者
現代礼法研究所主宰 岩下宣子
共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。