新開発銀行、中国向け非ソブリン融資契約に初調印

新開発銀行、中国向け非ソブリン融資契約に初調印

上海市浦東新区世博園区にある新開発銀行本部ビル。(資料写真、上海=新華社記者/方喆)

 【新華社上海5月30日】主要新興国で構成するBRICSが運営する新開発銀行(NDB、本部:中国上海)は28日、浙江省湖州市の地方銀行、湖州銀行と3億5800万元(1元=約22円)の融資契約を調印したと発表した。新開発銀行が中国向けで政府保証のない非ソブリン融資契約に調印するのは初めて。

 融資は浙江省の持続可能なインフラ整備プロジェクトに充てられ、資金は湖州銀行を通じ、民間部門のクリーンエネルギーやエネルギー効率向上、交通・物流、水・衛生などの分野の持続可能なインフラ整備プロジェクトに提供される。湖州市がクリーンで低炭素、安全で効率的な現代エネルギー体系を構築し、周辺の都市とより効率の高い相互接続を確立するのを後押しするほか、長江デルタ都市群の水生態環境の保護を強化し、湖州市の発展戦略を促進する。

 今回の融資は、加盟国通貨による融資を進める新開発銀行の姿勢を体現している。同行のウラジミール・カズベコフ副総裁は「今回の融資契約の締結は中国向け非ソブリン融資事業の始まりとなる」と述べた。

 新開発銀行はブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ5カ国が2015年に共同で設立した多国間開発銀行。BRICS加盟国とその他の新興経済国・地域、発展途上国のインフラ整備と持続可能な開発に関するプロジェクトの支援、既存の多国間・地域金融機関の補完、世界の成長と発展の促進を目的としている。(記者/周蕊)

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