「国スポ」向け計画の自転車競技場新設を白紙に 島根県、19億円の財政負担が理由か

 国民スポーツ大会(旧国民体育大会)を巡り、多くの知事が在り方の見直しを求める中、2030年に島根県内で開催する国民スポーツ大会「島根かみあり国スポ」に向け、島根県が出雲市上塩冶町で予定した自転車競技場の建設を白紙に戻す方向で調整に入ったことが30日、分かった。国スポ開催に伴い、県関係で唯一新設を計画し、総事業費25億円を見込んでいた。財政負担の重さが理由とみられる。今後、競技団体と代替措置を含めて協議する。

 県は当初、傾斜(バンク)や選手移動用の地下通路などを整備し、27年度以降の供用開始を目指していた。23年10月に公表した財政見通し(2024~28年度)で、総事業費25億円のうち県負担は19億円を想定。見直す背景には財政負担の重さに加え、国スポ後の利用が十分に見込めないこともあるとみられる。

 県島根かみあり国スポ・全スポ準備室の清水宏祐室長は「競技団体と協議している段階。いろいろな選択肢の中で話を進め始めたところで、何か決まった話ではない」と話した。

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