口溶けツルン…名水で作った夏の銘菓「くずまんじゅう」 福井県小浜市の菓子店で販売

雲城水で冷やされるくずまんじゅう=5月30日、福井県小浜市一番町の「伊勢屋」

 福井県小浜市の夏の銘菓「くずまんじゅう」が市内菓子店で販売されている。透明でつややかな見た目とひんやりとした口当たりが涼しさを感じさせる。同市一番町の「伊勢屋」の6代目店主上田浩人さん(39)は「小浜でしか食べられない夏の風物詩。北陸新幹線も県内開業し、県内外の人に味わってほしい」と話す。

 同店は創業から約190年の老舗。明治初期から続く看板商品のくずまんじゅうは、「平成の名水百選」に選ばれた雲城水を使っている。若狭町熊川、奈良県吉野の2種類のクズと雲城水を混ぜ火にかけて生地を作成。直径約5センチ、深さ約2.5センチの器に生地を入れてこしあんを包み、冷水で冷やして完成する。お盆の時期などピーク時は1日に5千個を作るという。

 店頭では「のどごしや口溶けもいい食感になる」(上田さん)という水温13~14度の雲城水で冷やし提供している。

 同店では夏以外にも楽しんでもらおうと、各月の最初の日だけ季節の食材を取り入れたくずまんじゅうを販売している。生地に抹茶を練り込んで緑色にしたり、あんこに果物のピューレを混ぜるなどさまざま。6月1日は南越前町特産の「黄金の梅」のピューレをあんに練り込んだくずまんじゅうを販売する。上田さんは「伝統を守りつつ、新しいことに挑戦している。和菓子に興味を持ってもらいたい」と話した。

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 販売は9月末まで。持ち帰りは1個178円。店内飲食もできる。水曜定休。

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