米デル、利益見通しさえず株価急落 AI関連コスト増見込む

Jaspreet Singh

[30日 ロイター] - 米デル・テクノロジーズが30日に示した第2・四半期(5─7月)の利益見通しは市場予想を下回った。人工知能(AI)に対応するサーバーの構築コストが増加し年間利益率が低下する見通しも示し、株価は時間外取引で17%超急落した。

第2・四半期の調整後1株利益見通しは1.65ドルプラスマイナス0.10ドル。LSEGがまとめたアナリストの予想平均は1.84ドルだった。2025年度の調整後粗利益率は約150ベーシスポイント(bp)の低下を見込む。

ガートナーのアナリスト、北川美佳子氏は、デルの利益率低下は競争的な価格設定環境を反映していると指摘。市場はまだ完全に回復しておらず、競合他社がタイトな市場でシェアを奪おうとしていると話した。

デルのジェフ・クラーク最高執行責任者(COO)は発表文で、AI最適化サーバーの出荷が2倍以上の17億ドルに増え、受注残は30%以上増加して38億ドルに達したと述べた。

第2・四半期の売上高見通しは235億─245億ドル。市場予想は232億1000万ドル。

同社はまた、25年度の売上高見通しを935億─975億ドルとし、従来の910億─950億ドルから引き上げた。

同日発表した第1・四半期決算は、売上高が前年同期比約6%増の222億4000万ドルと、市場予想平均の216億4000万ドルを上回った。6期連続の減収に歯止めがかかった。

特殊要因を除く調整後1株利益は1.27ドル、アナリスト予想は1.26ドルだった。

ストレージやソフトウエア、サーバーなどを扱うインフラストラクチャー・ソリューションズ・グループの売上高は22%増の92億3000万ドル、パソコン関連の顧客ソリューションズ・グループは横ばいの119億7000万ドル。

AIを最適に稼働させるサーバーに対する需要拡大への期待感から、デルの株価は今年に入って2倍以上に高騰し、今週過去最高値を更新していた。

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